連載24回目は、インドネシアの日系マリンリゾートホテルを皮切りに、インドネシア在住16年。現在は、バリ島のクルーズ会社「PT.LUNBA-LUNBA」に在籍する、
唐沢 百年実(からさわ もとみ NAUI#12964)様です。
インドネシアへ渡り約16年の歳月が経ちました。当時、インドネシアへ渡航するきっかけとなったのが、現在の㈱ナウイエンタープライズからのお誘いでした。
1993~4年頃、沖縄県(宮古/八重干瀬)での水中調査業務をしていた私は、長時間潜水により身体的不調をきたしておりました。その頃、NAUIの担当者より、インドネシアジャワ島(ジャカルタ)沖に浮かぶ日系資本のマリンリゾートホテル、マリン部門のマネージメント業務の話を紹介していただきました。そのときは非常にありがたく「渡りに船」という心境でした。
またそのマリンリゾートホテルでは「日本語が通じるので語学も問題無い」というお話を真に受け赴任。着任早々「日本語や英語は分からない!インドネシア語で話せ!」と言われ、一癖二癖あるインドネシア人スタッフ35名を相手にどうなることか?と思ったことをよく覚えております。
業務内容は体験ダイビングやファンダイビング等のガイドもありましたが、基本的にはマネージメント業務、日々の売上管理からスタッフ教育等々、フィールドワークよりオフィスワークがメインとなりました。
閉鎖された南の島で、現地スタッフに囲まれての業務から、精神的に厳しい部分や、現地で働く日本人として厳しい局面に立たされることもあり、一喜一憂の毎日でしたが、終わってみれば、あっという間の4年間、精神的にも鍛えられ色々と勉強させて頂きました。
なにはともあれ、この4年間は私にとって大変貴重な時間になったことは言う迄もなく、現在インドネシアで仕事ができているのも、この4年間があったからだと思います。すなわちNAUIの人々の導きにより人生が大きく変わり、今の私があるのだと実感しております。
現在は、2005年に現オーナーと旅行部門とクルーズ部門をもつ会社をインドネシアで設立し、日本ではまだあまり知られていないインドネシアの島々を紹介しています。ダイビング&観光クルーズ、観光旅行等を企画催行しており、ダイビングでは、日本人オペレーション初の「コモド諸島クルーズ」を、また2008年からは「ラジャアンパットエリア」でのクルーズを開始しました。
観光では日本の大手旅行会社と業務提携し、バリ島からの「日帰りコモドドラゴン観察ツアー」を催行しております。
ところで私がコモドやラジャアンパットに目をつけ、クルーズを始めようとしたきっかけは、NAUIとの関係も少なくありません。それはジャカルタ赴任時代、当時、NAUIインストラクターで運営されていた、日本安全潜水教育協会の協賛を得て「インドネシアの未詳ダイブサイトの調査」を依頼され、これらエリアを調査していたからです。(ちなみにこれらの調査結果は、当時のダイビングフェスティバル会場会議室の一室で、協会会員向けにプレゼンテーションさせていただき、また、会報にも掲載されました。)
このような、ラッキーな機会が有ったからこそ、現在の私の業務が此処にあり、これも、すなわちNAUIとのご縁だと思っております。
さて、私のフィールドであるインドネシアは世界最多の島々を有する島嶼国で、赤道を挟み東西南北に広大な領海を保有しています。
まだまだ未開の海であり、多くの海が混ざり合う緩衝エリアにて、今だ新種生物が発見され続ける生物層の宝庫です。
そんな未開の海を、ダイビングに適した最高のクルーズ船で周遊すると言う夢を持ち、2011年新たなプロジェクトを始動、夢への一歩を踏み出したいと思っております。
ダイビングを通じて、NAUIが私に大きな影響を与えてくれました。NAUI50周年、NAUI JAPAN40周年の歴史で、今後も新たな人々に大きな影響を与え続けて欲しいと願うばかりです。
PT.LUNBA-LUNBA(インドネシア・バリ島)
唐沢 百年実(からさわ もとみ NAUI#12964)